妊娠・子育て

稽留流産の手術のすべて。診断から手術後まで、私の経験談を総まとめ(7000字越え)

「赤ちゃん、残念ながら育っていませんね」

もう何年経っても忘れられない、お医者さんのこの言葉。
現在2人の子どもがいますが、初めての妊娠は稽留流産(けいりゅうりゅうざん)で手術をしました。
このブログにたどり着いてくださった方は、同じ状況の方もいらっしゃるかと思います。
私も当時は色々なことを調べまくりましたので、できるだけ稽留流産になったときの経験を詳細に書きました。お役にたてれば幸いです。


●私の流産手術までの経緯●
5週目で胎のうを確認して妊娠発覚。
6週目くらいから茶色の出血が数日置きに出るように。
7週目、心拍を確認できるはずだった健診の日に稽留流産と診断。
8週目、納得がいかず再受診→やはり稽留流産
9週目で稽留流産手術

稽留流産の診断

赤ちゃんは育っておらず心拍も確認できなかった(7週)

心拍を確認するはずだった7週の健診の時の話。
診察台の上で赤ちゃん元気かな・・心拍聞こえるかな・・とドキドキ。
お医者さんは無言でずっと画面とにらめっこしている。
体感的にとてつもなく長く感じました。
そして長い沈黙の後

「赤ちゃん、残念ながら育っていませんね」

えっ・・
驚いて声がでませんでした。

お医者さんからは
・前回の健診時5週の時から赤ちゃんの大きさが変わっていない
・心拍も確認できない
なので稽留流産でしょう、という説明を受けました。
出血があったということ以外は特に変わったこともなかったので、その診断にはとてもショックを受けました。

何も考えられない私に、お医者さんは稽留流産というものについて説明をしてくれました。

その時は全く頭に入ってこなかったので、あとから調べたことを以下にまとめます。

赤ちゃんが流産になってしまう確率は2割弱

お腹の赤ちゃんが自然に流産してしまう確率は、全妊娠の15~20%と、結構高い割合で、妊娠した時の年齢が高いほど自然流産の確率は高くなり、10代だと10%、40代だと40%以上という報告があるそうです。

参考:公益社団法人 日本産婦人科医会

当時私は30代前半だったので、流産の確率は低いとは言えなかったようです。

稽留流産とは

そもそも稽留流産というのはどういうものなのでしょうか。

●稽留流産とは、超音波検査で発育が止まって(流産)いると診断されるもの。
●妊娠12週までの流産のうち7~8割の原因は染色体異常によるもの。初期の流産は、予防・治療することができず、自然淘汰という“自然現象”と考えられている。
●自然淘汰される胎芽(赤ちゃん)は、まず、発育しない、心拍停止するなどの現象がおきたあと、その妊娠を自然に終わらようとして子宮収縮がおき、出血や腹痛などの流産の症状がでて進行流産→完全流産へと推移する。

出典(本文抜粋):公益社団法人 日本産婦人科医会

初期流産の原因の7~8割は、卵の元々の染色体異常によるもの。お母さん側に原因があることは少ないそうです。「自分を責めないでね」とお医者さんには言われました。

心拍確認できた場合も含めて、12週目までの2割近くが途中で育たなくなってしまうのはつらい数字ですね。自然淘汰・・ということですが、当人にはなかなか受け入れられない事実です。

稽留流産の診断基準

お医者さんが稽留流産と確定する診断基準は以下の通りです。

●稽留流産の確定診断の基準
・胎芽(赤ちゃん)のCRL(頭殿長)7mm以下で心拍が確認できない
・胎のう(赤ちゃんの袋)の直径が25mm以下かつ胎芽(赤ちゃん)がない
・胎のうを確認できてから2週間後たっても心拍が確認できない


出典(表):公益社団法人 日本産婦人科医会


確定診断に当てはまらない場合は、1週間後などに再度健診を受けて様子をみるようです。そもそも排卵の遅れなども考えられるので、そこも考慮をしてもらえます。
私は確定診断基準の3つ全てに当てはまったので稽留流産の診断を受けましたが、気持ちがついていかず1週間後に再度健診をしてもらいました。

自然流産(自然排出)を待つか、流産手術をするか

稽留流産の診断が下った後は、自然に赤ちゃんが排出されるのを待つ「自然流産」or手術で取り出す「流産手術」のどちらかを選択することになります。

自然流産と流産手術の特徴

●自然流産・・胎のうなどの子宮内容物が自然に排出されるのを待つ。
・手術費用が掛からないので費用を抑えられる。
・手術の時にかかるような身体の負担がない
・流産排出時に出血と強い痛みがある。
・いつ排出されるかの予想ができない。
・子宮内容物が完全に出切らず一部が子宮に残ったままだと感染症を起こす可能性があり、その時は結局手術をすることになる

●流産手術・・・赤ちゃんを外に出す手術。(ソウハ法※1)
・日にちを決めて計画的に流産をすることができる
・子宮内を確実にリセットできる。
・手術費、病院によっては入院費がかかる※2
・病院によっては全身麻酔になる(点滴からの静脈注射麻酔)※3
・手術前に子宮口を広げる処置をする(人によっては結構痛い)
・手術のリスクがある(子宮に穴をあけてしまう子宮穿孔など)

※1 流産手術はソウハ法が主流のようですが、「吸引法」という手術を行っている病院もあるようです。
※2,※3 病院によっては日帰りで局部麻酔のところもあります。

私の病院では確実に子宮内をリセットできる流産手術を勧められました。流産が進行してくるのでなるべく早いほうがいいでしょう、とのことでした。

でもこの時はまだ手術するなんて気持ちにはなれません。
本当に育ってないの?
診断が間違いで、もし生きていたらどうするの?

その気持ちをそのまま先生にぶつけました。
先生は、手術の前に必ず最終確認はするし、今納得できなければ1週間後に再診察をして手術日はその後決めることもできると提案してくれました。ただ、それまでの間に流産が進行して自然排出する可能性があるけども、と。

結局、私は1週間後に再検診をしてもらいました。
やはりだめだったので、さらにその1週間後に手術日を予約しました。

自然流産は半分以上の人が1週間以内にはじまる

手術をせずに自然流産を選択するという方法もあります。
手術費用も掛からないし、手術の時にかかる身体の負担がないというメリットがあります。とはいえ赤ちゃんがいつ出てくるかが分からないので、働いている方などは厳しいですね。
いつ排出が始まるのかは人により差があるのですが、
大まかな傾向としては、流産確定後半分以上の方が1週間以内に、8割以上が1か月以内に自然流産されているということです。↓

妊娠13週未満の流産確定から4週間自然経過をみた結果では、累積自然(完全)流産率は1週後:54%、2週後:62%、3週後:76%、4週後:84%であり、腹痛や感染、性器出血などの副作用は8%と流産手術に伴う副作用の発生率(13%)と差がなかったとする報告があります。

出典:医療法人社団 鈴峰今中医院

 


私は当時休職中で家にいたのですが、外にいる時に突然始まったら困るなとか、ひとりで腹痛や出血や出てきたものに向き合うのが怖いなぁと思い手術を選択しました。
(この時はまだ、手術をしたのに子宮内容物が残っており、結局自然流産を経験するとは思ってもみませんでしたが・・)

稽留流産の手術

私は、稽留流産の確定診断から1週間後(9週目にあたる時)に手術を受けました。何かの間違いであってほしいと祈り続けながら当日を迎えましたが願いは叶いませんでした。

稽留流産手術のスケジュール 1泊2日

稽留流産手術のスケジュール(私の病院の場合)はこんな感じでした。


●前日の22時から、手術が終わるまでは食事はNG●

◆1日目 
10:00病院入り
午前中最終的な診察
 子宮口を広げる処置
夕方手術
 夕食
◆2日目 
午前中診察後、退院

※病院によっては日帰り手術ができたり、1日目に子宮を広げる処置をして2日目に手術するところもあるようです。

稽留流産手術で行われること

流産手術では実際どんなことが行われたのかを、当時の日記も交えて紹介します。


1、手術前に最終診察
病院に到着後、通されたのは大部屋。同じように流産手術をする人や婦人科系の入院患者と一緒でした。
同じフロアの少し離れた部屋には切迫早産で入院中の妊婦さんや産後の方がいましたが、顔を合わせる機会はありませんでした。
病院に到着したらすぐに診察。
赤ちゃんが本当に育っていないかを手術前に必ず確認します。

ー当時の日記よりー

病院に着いて手術着に着替えてからすぐに診察があった。
赤ちゃんの最終確認。
「赤ちゃん、やはり育っていませんね。人間は一応高等動物とされているので、出来が不完全だと自然淘汰されていくんですよ。20%くらいの確率で流産するんです」
という主治医の説明があり手術が確定してしまった。
渡された紙に「5週相当 稽留流産」と書いてある。
5週目で止まってしまった命。
奇跡が起こってほしいという祈り半分、あきらめ半分できたけれど、現実になってしまって悲しい。でも最初に稽留流産の診断された時よりだいぶ落ち着いている。


2、子宮口を広げる

診察後にラミナリアという棒状のものを子宮口に入れ、それが体内の水分を吸って徐々に2~3倍に膨らみ子宮口を広げます。※すでに出産経験のある経産婦の方は子宮口が柔らかいので入れなくても大丈夫だそうです。
トイレはラミナリアを入れたまま行くことが可能です。

3.生理食塩水を点滴する
手術前に水分が取れないので、生理食塩水の点滴をしました。

ー当時の日記よりー

子宮口を広げる処置をした。ラミナリアを入れるときに少し痛くて一気に不安に・・。入れた後は、重い生理痛という感じ。痛くてたまらないというわけではないけど、何かが挟まっているという違和感と、ズーンという鈍痛。とにかく不快な感じ。
生理食塩水の点滴もしているから、動きにくくてストレス。
手術までの待機時間に本でも読もうと思ったけど、そんな気には全然なれないや。


4、1日目の夕方に稽留流産手術

手術台に横たわって点滴から静脈注射麻酔をし、意識がないうちに手術。起きたころにはすでに手術は終わっています。時間にして30分以内。

ー当時の日記よりー

手術室には、生理食塩水の点滴を押しながら自分で歩いていった。
手術台に寝っ転がって酸素マスク。
点滴が生理食塩水からちょっとしみるやつ(静脈注射麻酔)に切り替わった。冷やっとした感覚が体を廻る。

お医者さんが「少しくらっとしてきますのでね」と言ったのだけど、全くくらっとしてなくて目をパッチリと開けてたら、すぐにすこーしだけ目の前が揺らいだ気がした。


「ミズーさーん、終わりましたよ」の声で目が覚める。
目を開けたら研修医を含めたたくさんのお医者さんが周りにいる。え?もう終わったの?と不思議な気持ちだった。ただ、M字開脚していた脚の付け根が痛い。強く脚を開かされていたのだな。
「ありがとございました」と言った自分の声がすごくかすれていた。


5、手術後

手術のあとはベットのまま病室へ運ばれ、麻酔が完全にとけるまで安静にしています。術後初めての歩行は看護師の付き添いが必要なので、トイレなどに行きたくなったら看護師さんを呼びます。
私は手術後2時間ぐらいでクラクラしなくなりました。
手術後に久しぶりに夕食を食べ、体を拭いて(手術当日のシャワーはなし)そして消灯でした。

ー当時の日記よりー

手術後はなんだかぼんやりしていたけど夫がいてくれたのでよかった。
仕事に向かった夫と入れ違いに母が来てくれて、その頃にはもうすっかり普通になっていたので談話室ですごい喋った。
昨日の夜から絶食だったので、夕食がおいしかった。そして母が持ってきてくれた大好きなサクマのいちごみるくとチーズおかきをほうばり、幸せだった

消灯後、少し離れた分娩室から赤ちゃんの大きな泣き声が突然響いた。
産まれたんだ!感動…
私の横のベットの人もちょっと泣いてる感じがする

出産の神秘と、そして自分のお腹からいなくなった赤ちゃんのことを想って手術後に初めて泣いた。
今日は眠れない。色んなことがありすぎた

6、2日目の朝 診察のあと退院
診察の後、問題がなければ退院します。

7、手術費・入院費の清算
その日のうちに支払いました。

8、1週間後に手術後の診察
手術後の経過がどうかを、内診します。
順調であれば入浴のOKが出ます。

稽留流産手術の持ち物

●生理用ナプキン(夜用・昼用)
術後は病院支給の紙おむつをはかされます。そのあとは自分のものを使います。血量はそんなに多くないことが多いみたいです。
●生理帯
●パジャマ ※病院支給でした
●パジャマの下に着る下着
●スリッパ ※病院支給でした
●スマホ充電器&スマホ
●イヤホン
大部屋なことが多いので、持っていくといいです。
●歯ブラシセット、コップ
●飲み物
自販機ありますが、買っておいた方が楽
●お菓子
これは飴でもなんでも好きなのを持ってくことをおススメ。術後の食 事制限はないので。(私はサクマのいちごみるくに救われまた・・)
●お金
手術後に入院費・手術代を払います。
●保険証、病院の診察券

※手術後のシャワーNGだったので、お風呂セットは不要でした。
※手術前の待機中に本でも読もうと持って行ったのですが、子宮を広げる処置が割と痛めなので読む気は起らず、ひたすらスマホでした。

稽留流産手術の費用

流産手術は保険が適用されます。(中絶手術は保険適用外です)
病院によって費用はかなり違うようですが、日帰り手術は1.5万円~3万円、1泊2日は3万円~7万円が大まかな相場のようです。
ちなみに、私は総合病院だったので1泊2日で6万円ほどと高めでした。
また、医療保険などに入っている方は契約内容によっては保険が下りる可能性があるので保険会社に問い合わせてみてください。

稽留流産の水子供養はどうする?

法律上は12週以前の胎児は死産届や火葬許可証などの手続きを行う必要がないので、手術のあとは病院の方にお任せすることになります。
初期流産は医学の進歩で、かなり早い段階でエコーなどで妊娠発覚できるようになったゆえの悲劇とも言えます。

私は病院にお任せした後地元の神社へ行き(本当はお寺なのかもしれません)少しの間だけでもお腹に居てくれたお礼と、安らかにと祈りました。

業者に供養を依頼することもできるので、事前に病院に相談するといいと思います。

稽留流産の手術後のこと

手術後の身体の様子

手術後の出血は順調であればそこまで量は多くなく、1週間~2週間の間に子宮からの出血は止まります。
そして1~2か月後には生理が再開するのが一般的です。

手術後の注意点

●手術後2~3日は安静にする。
●シャワーは手術の翌日からOK。
●入浴は1週間後の診察の後で医者がOKしてから。
●多量の出血や強い痛み、発熱などがあるときはすぐに病院へ電話して相談する

稽留流産のトラブル

[経験談]流産手術後3日目、子宮の中のものが完全に取り切れておらず自然流産を経験した話

これは私の経験談です。

脂汗をかくような腹痛と多めの出血
稽留流産手術を終えて3日目のことでした。
術後2~3日はゆっくりしてくださいと言われていたので自宅でくつろいでいました。すると、段々とお腹が痛くなってきました。
最初は普通の生理痛くらいの痛みで、それが徐々に強くなり、かと思うとまた弱くなったりを繰り返し、最終的には脂汗をかくような強い痛みに。
手術後3日目だったのでまだナプキンをしていたのですが、出血も段々量が増えていきました。
そして、お腹の痛みがぐーーっと強くなり、うーーーーと苦しんでいると、急にポコッと何か大きいものが出ました。
トイレに急いでいくと、5㎝くらいのゾウリムシのような形の白い筋のような、膜のようなものが出てきたのです。トイレで流れてしまったのですが、すぐに病院に電話して受診をすることになりました。

●子宮内容遺残
病院ですぐに内診。子宮の中はすっかりきれいになっているので、手術で取り切れなかったものが自然排出されたのでしょうということでした。できれば排出されたものを病院に持ってきて顕微鏡検査をして何かを特定したかったそうです。白ゾウリムシは、おそらく胎のうではなくその他の妊娠組織の一部でしょう、とのことでした。

ごくまれに、手術を行っても子宮内容物が充分に排出できず残る場合があり、出血が続いたり発熱や腹痛が出るそうです。その時は子宮収縮薬で内容物を完全に排出することで症状はなくなりますが、再手術が必要になることもあります。私の場合はそういった処置をする前に自然に出てきてくれました。

自然流産を選択した場合に完全に排出されず手術になることはあるそうですが、流産手術をしたのに内容物が残るのはあまりないケースだったそうです。手術後には何が起こるか分かりません。トラブルに備えて心の準備をしておくという意味で、参考になさってください。

稽留流産手術後の再妊娠について

再び妊娠に取り組むのは、術後に生理を2回見送ってから

一般的には手術後1~2か月後に生理が再開するので、順調な生理の回復が確認できて、さらに1か月後にもう一度生理が順調にくれば、再び妊娠に取り組むことができるそうです。

最後に

時間が確実に心を落ち着かせてくれますので、どうか心と身体を大切になさってください。
子宮と心は直結してるような気がします。
今回のことはとても残念なことでしたが、稽留流産をしたということは裏を返せば妊娠することができる、ということでもあります。

どうかあなたに幸福が訪れますように!!

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